矯正用語辞典


開咬 [ かいこう ]
別名:オープンバイト
奥歯を噛んだ状態で、前歯に隙間があり、かみ合っていない状態のこと。 かみ合わせの負担が奥歯に集中し、上下の前歯が開いているので、前歯で食べ物をかみ切ることができません。 子どものころの指しゃぶりや舌を突き出す癖、口呼吸などが原因の1つでもあります。

過蓋咬合 [ かがいこうごう ]
別名:オーバーバイト
噛み合わせが深く、正面から噛み合わせを見たときに下の前歯が見えない状態。 上顎前歯が下顎前歯の唇面を1/4~1/3を覆う深く咬合する状態。

下顎前突 [ かがくぜんとつ ]
下顎前突とは、下の歯が上の歯より前に出ている状態をいいます。受け口ともいわれます。 奥歯に虫歯ができやすかったり、「サ」行や「タ」行などの発音がしにくい場合があります。

下唇小帯 [ かしんしょうたい ]
下唇の内側の中心から前歯の中心(正中)あたりに伸びている筋状になっている粘膜のヒダ。

過剰歯 [ かじょうし ]
永久歯は、親知らずを含め32本ありますが、それ以外に生えてくる歯のことを過剰歯と呼びます。顎の骨に埋まった状態で生えてきていない過剰歯は、埋伏過剰歯と呼ばれます。

カリエス [ かりえす ]
虫歯のことです。虫歯の進行具合によって、C1からC4まで分類されます。

仮歯 [ かりば ]
別名:テック
上部構造(被せ物)の作成中治療の途中等につけておく仮の歯。

緩除拡大装置 [ かんじょかくだいそうち ]
緩徐拡大装置は、横幅の狭い上顎の歯列を拡大するときに使用する装置で、主に小児矯正で使用される。 取り外しができる可撤式[かてつしき]と、固定式の2タイプある。 取り外しができるプレートタイプは、装置中央のネジを少しずつ回して、弱い力で歯を徐々に外側に傾斜させて歯列を広げる仕組み。
固定式の装置の場合は、口の裏側に太めのワイヤー(0.8mm~1mm程度)が通っていて、ワイヤーの弾力が歯を動かす力を与えている。

顎間ゴム [ がくかんごむ ]
別名:エラスティクスゴム
主に、ワイヤーとブラケットを使った「マルチブラケット装置」を使用した治療で、歯列矯正をより良好に進行させるために使用する。 上あごの装置と下あごの装置に、またがってかける輪ゴム。

顎関節症 [ がくかんせつしょう ]
あごを動かすと顎関節が痛んだり、雑音がしたりする症状。
食事をする時に顎が"ガクガク"鳴ったり、口をあける時に痛くなったり、時には口が開かなくなります。 顎関節周囲の筋肉や靱帯の圧痛など、あごの運動異常を主症状とし、重症になるとうまく口があかない「開口障害」や、食事が噛みづらい「咀嚼障害」をひきおこします。 首や肩がこったり、腕に症状の出ることもあります。

顎内固定装置 [ がくないこていそうち ]
歯の裏側に装着する、取り外しのできない装置。
太いワイヤーやプラスチック製のプレート(レジンパッド)からできていて、主にマルチブラケット矯正と併用されます。 装置に接着されたバンドという金属の帯を奥歯(奥歯)に巻いて、歯に固定します。 目的や、患者様の症状によって形は異なり、代表的なものに、「ホールディングアーチ」や「クオドヘリックス」、「バイヘリックス」「パタラルバー」、「リンガルアーチ」などがある。

顎変形症 [ がくへんけいしょう ]
上あごと下あごの骨の位置や形、大きさが原因でお顔が変形し、かみ合わせの異常(不正咬合)をおこしていること。
具体的な症例は、
上顎前突症…上の顎が前に出っ張っている。
上顎後退症…上の顎が後ろに下がっている。
下顎前突症…下の顎が前に出っ張っている。
下顎後退症…下の顎が後ろに下がっている。
開咬症…前歯でかめない。
顎骨非対称症例 等が例としてあげられる。
見た目だけでなく、機能的にも弊害がある顎変形症と診断された場合、外科手術と歯列矯正を併用した外科矯正の治療を健康保険を適用して治療できる。(医療機関と治療法は指定されたものとなります)

ガミースマイル [ がみーすまいる ]
笑ったときに上顎の歯肉が見えてしまう状態をいう。

キャナインリトラクション [ きゃないんりとらくしょん ]
犬歯は、歯並びを創るうえで大黒柱のように重要な歯です。 この犬歯の位置をコントロールすることをキャナインリトラクションといいます。

頬骨インプラント [ きょうこついんぷらんと ]
極端に吸収した上顎臼歯部のインプラント埋入のために開発されたインプラントのこと。
歯槽骨が吸収することはあっても、頬骨は吸収することがないため、極端に長いインプラントを上顎臼歯部や、口蓋側よりから頬骨へ上顎洞を貫通させて埋入させます。

頬側 [ きょうそく ]
歯の頬側のことです。頬側の反対は、下顎の場合は舌側(ぜっそく)、上顎の場合は口蓋側と呼びます。

局所麻酔 [ きょくしょますい ]
別名:別名:局部麻酔
手術などの際、意識を失わせることなく、その名のとおり局所(身体の一部)の知覚を消失、または鈍麻させること。歯科治療においては、治療の時に歯ぐきに麻酔をしますが、これを局所麻酔と言います。

筋機能療法 [ きんきのうりょうほう ]
筋機能療法(口腔筋機能療法)
別名:MFT:Myofunctional therapy 、Oral myofunctional therapy
筋機能は、舌や唇、顔面の筋肉など、口のまわりの筋肉を強くして、バランスを良くして、正しく機能させるためのトレーニングプログラム。 口のまわりの筋肉が弱く、バランスが悪いと、舌で前歯が押され、開咬(前歯が開いている)や上顎前突(いわゆる出っ歯)、あるいは反対咬合(受け口)といった不正咬合を引き起こすことがある このような舌癖(舌の癖)があると、矯正治療が順調に進まなかったり、矯正治療後に後戻りすることがあるので、MFTを行う。 子どもの場合、筋機能療法のみで不正咬合がある程度改善することもある。

近心 [ きんしん ]
歯列の正中部に近づく方向。
反対語→遠心

金属アレルギー [ きんぞくあれるぎー ]
歯科では、歯科治療で使用される金属に対するアレルギー反応のことを指す。
金属を使用してから数年などの長期間をおいてから発症することもあるため、金属アレルギーの原因となる素材を使用しない治療を行う病院が増えてきている。 金・白金などの貴金属や、インプラントに使用されるチタンなどはアレルギーを起こしにくい。

クオドヘリックス [ くおどへりっくす ]
バネの力で歯列弓の幅を左右に拡大したり、奥歯の傾きやネジレを修正したりするための装置です。歯の裏側に曲がったハリガネを装着しますので、話づらかったり食事がしづらかったりなど、はじめは不快感があります。

クラウン [ くらうん ]
虫歯などで大きく歯を削ったときに、金属やセラミックで覆う被せ物のことです。クラウンで被せるほどの虫歯の場合は、神経が死んでいるのでクラウンを被せる前に根管治療を行います。クラウンには、金属だけでできているクラウンの他に、金属の表面にセラミックを焼き付けたメタルボンドや、セラミックだけでできているオールセラミッククラウンなどがあります。

クレフト [ くれふと ]
歯肉にできたV字やU字型の裂け目のこと。不適切な歯磨きや、たまったプラーク(歯垢)、噛み合わせの異常などが原因で起こります。

クレンチング [ くれんちんぐ ]
上下の歯を強く「噛みしめる(食いしばる)」習癖。 音をたてることがなく、他人に指摘を受けることがあまり無いため、気づきにくい。

グラインディング [ ぐらいんでぃんぐ ]
いわゆる「歯ぎしり」で、ギリギリと音をたてて、強く歯をこすり合わせる習癖。 就寝中に発生することが多く、歯のすり減りが起こりやすい。

傾斜移動 [ けいしゃいどう ]
歯冠の1点に力を加えるとその歯は歯根の1点を回転中心として傾斜させる移動様式。

欠損 [ けっそん ]
歯科では、歯がないことを言います。欠損部位とは、歯がない場所、歯がない部位ということをあらわしています。

犬歯 [ けんし ]
別名:糸切り歯
前から3番目の歯のことをいいます。他の歯よりも生えてくるのが遅いため、生えるスペースがなくなり、前に出てきてしまう場合がります。これを一般的に八重歯といいます。

外科的矯正 [ げかてききょうせい ]
不正咬合(ふせいこうごう)の歯科矯正学的問題があまりにも難しく、矯正治療単独では満足のいく治療結果が得られない場合や、矯正治療期間を短縮するために用いる治療方法である。
内容は、上下顎骨を外科的に再配置することや、歯・歯槽部を再配置する治療法である。
William R.Proffitは外科手術とは、矯正歯科治療の代わりになるものではなく、矯正歯科治療やその他の歯科治療と組み合わされることによって優れた治療成績をおさめることができると述べている。近年、治療方法が進歩したために、数年前には治療することのまったくできなかった多くの難症例を、外科的矯正治療によって解決することが可能となっている。また、手術時間の短縮にともない、出血量も少なく、入院期間も短縮されてきた。
最後に、日本では顎口腔機能診断施設(各都道府県知事)の指定医療機関であれば、歯科矯正治療および、外科手術ともに健康保険適用の治療となります。

口角 [ こうかく ]
上唇と下唇が繋がっている境目の部分のこと。

口蓋側 [ こうがいそく ]
歯の裏側のことを言います。主に上顎の歯に対して使用します。

口腔 [ こうくう ]
お口の中のことですが、正確には口からのどまでの空洞の部分を言います。 例えば・・・口腔内とはお口の中のこと、口腔外科処置とはお口の中に関する外科処置で歯を抜いたり(抜歯)、手術をしたりすることを言います。

口腔外科 [ こうくうげか ]
口の中に関しての外科的処置を行う、歯科診療科目のうちのひとつ。

口腔習癖 [ こうくうしゅうへき ]
口腔習癖は、お口から喉までの部分に対して、無意識に繰り返し行ってします習癖をいいます。口腔習癖の中には、不正咬合を引き起こしたり、顎・顔面の変形を引き起こすなど、悪影響を及ぼすものがあります。
口腔習癖の例 : 頬づえ、 拇指吸引癖(類 : タオルしゃぶり、ガーゼしゃぶり、、おしゃぶりの常用)、吸・咬唇癖(唇を咬む・吸う癖)、口唇をなめる癖、爪噛み、睡眠態癖(寝ぐせ)、口呼吸、クレンチング(歯のくいしばり)、歯ぎしり、舌突出癖(舌を前に出す癖)

咬合 [ こうごう ]
歯の噛み合わせのことです。

咬合異常 [ こうごういじょう ]
上顎と下顎の歯のかみ合わせが合わない状態。
反対咬合(受け口)、上顎前突(出っ歯)、開咬、八重歯などの不正咬合や歯の形の異常、顎の変形・形状異常による不正咬合など。

咬合採得 [ こうごうさいとく ]
歯のかみ合わせを採ることを言います。

交叉咬合 [ こうさこうごう ]
上下の歯を噛み合わせたとき、通常は上の歯が下の歯に被るが、これが一部逆になり交叉している状態を指します。 上の歯の中心線と、下の歯の中心線(上下顎正中線)がずれやすい。

咬頭干渉 [ こうとうかんしょう ]
下顎を偏心(前方、側方、後方)させたとき、その機能的運動を妨げるような歯の接触のこと。

口内炎 [ こうないえん ]
口の中や舌の粘膜に起こった炎症を総称した病気のこと。

咬耗 [ こうもう ]
上下の歯が噛み合うことによって、歯の表面がしだいに擦り減っていくことをいいます。
上下の歯の接触する機会が多い部分が早く消耗します。 高齢者の歯は、エナメル質にとどまらず、象牙質に至ることが多くあります。

口輪筋訓練法 [ こうりんきんくんれんほう ]
上の前歯が出っ歯になっている場合に、唇が完全に閉じずに口の周りの筋肉(口輪筋)が衰えてしまっている事が多い。そこで、ある種の器具や手指を用いて、口輪筋を鍛える訓練を行うことにより、矯正治療と合せて咬み合せの安定をはかる方法をいう。

コルチコトミー [ こるちことみー ]
おもにコルチコトミー(皮質骨切除術)とは、人間の歯の基盤となる硬い骨(皮質骨)の内側にある軟らかい骨(海綿骨)にヒビを入れることで、歯が動きやすい条件を作ります。この手術と舌側矯正を併用することにより約6ヶ月~8ヶ月で治療が終了することができます。コルチコトミー併用法は、人間の治癒力を活発にさせながら治療を促進するため、無理なく短期間で治療を終えることが出来ます。また、一度切られた骨は自然治癒の力で手術前よりも丈夫になり、矯正後の後戻りの心配もありません。

混合歯列 [ こんごうしれつ ]
乳歯と永久歯との交換は6~11歳ごろ行われる。 この時期には乳歯と永久歯が同時に存在し混合歯列と呼ばれる。