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そうです、ちょっとした癖なのです。しかし、具合いが悪いことに癖には2種類あります。放っておいて良い癖とそうでないものです。癖というものは奇妙な現象です。一度、癖ができると、全く無意識な状態での行動となり、その子の肉体的・社会的状態の一部となってしまいます。疲れた子・・・テレビ番組や読み物に夢中になっている子・・・しかられた子−これらの子は無意識のうちに口の癖に陥っていくのです。この口の癖は子どもの歯や顎(あご)の成長・発育に良くない結果をおよぼすことがあります。

口唇(くちびる)を咬んだり、爪を咬んだり、口呼吸、舌で前歯を押し出す癖−すべてこれらは色々な癖の例です。その癖たるや、口や歯に良くない影響を与えうるものです。しかし、その中でも、私達がここで気をつけなければならない2つの癖は親指又はその他の指をしゃぶる癖(母指吸引癖・吸指癖)と舌突出癖(物を飲み込んだり、軽く口を閉じた時に歯に対して舌を押しつけたり、歯の間に舌を押しつけたりする癖)です.

それでは、これら2つの口の癖を別々に検討してみましょう.まず最初は指しゃぶりから.


HOW DOES THE THUMB SUCKING HABIT AFFECT THE TEETH?
一体どの様にして指しゃぶりが歯に影響を与えるのでしょうか。
指しゃぶりを長い間続けることによって、前歯(特に上あごの切歯)は前方に傾き、時によっては下あごの歯が後退します。さらに上口唇(うわくちびる)の正しい位置や、横顔の輪郭にまで悪影響を及ぼします。


WHEN SHOULD YOU BEGIN TO BREAK THE THUMB SUCKING HABIT?
それでは、いつ頃から、指しゃぶりを止めさせる様にすべきなのでしょうか。
せめて、4才になるまでの、できるだけ早い時期に指しゃぶりを止めさせる様にあなたのお子さんに注意だけはすべきです。もし分別のつく年頃になっても指しゃぶりを止めさせなかつたら、あなたのお子さんの歯や顎(あご)は好ましくない発育をして、不正な位置に変化してしまいます。


HOW DO YOU BREAK THE HABIT?
どの様にして、指しゃぶりの癖を止めさせればよいのでしょうか。
基本的には、アプローチの仕方が2通りあります。1つは 小児心理学的なアプローチをしてカウンセリングすることによって矯正する試みで、もう1つは、子供が親指を口にくわえない様にするための機械的装置を用いる試みです。
小児歯科医・矯正専門医は上記の2つの方法をうまく組み合わせて使用しています。


HOW ABOUT THE USE OF PACIFIERS?
おしゃぶりの使用の可否について。
おしゃぶりの使用については、専門家の間でも意見が非常に異なっています。おしゃぶりの形を改善して為害作用を少なくしたものを用い、正しい時に使用したり、持続時間を制限して使わせるのが重要です。どんな場合でも、あなたのかかりつけの小児歯科医又は矯正専門医のアドバイスに従うのが最良の道です。