その結果、上図の様に、N・R両群間の差の比較の t 検定をした結果、3時点全てで、N、R群間に、危険率:0.5 %で有意差が認められました。 このことにより、KIX-indexは初診時における骨格性の反対咬合の鑑別診断の際に有用な指標となると考えられました。
経過観察中下顎の過成長が発現したために外科的処置を併用せざるを得なくなった3症例を用いて、指標 :KIX indexを経年的に調査しました。すると、今回調査した3症例とも初診時の、KIX- index の値は1.5前後で、早期治療で反対被蓋は改善されされにくく、将来後期治療や外科的矯正治療の対象となる割合が高いと推測されました。実際に、KIX- index の値は経年的に悪化しており、下顎の前方成長量も著しく反対被蓋も増加しました。さらに、下顎関節部を示すAr点の後下方への成長量は少なく、発達期の顎顔面構造の中で、下顎の前方への過成長を吸収できないことも示唆されました。
KIX index は外科的処置が必要かどうかの判断に用いられ、通常は1.5を超えると外科的処置の必要性が高くなると考えられます。この式によって得られた値が1.5を超えて大きくなるということはつまり、APDIの値が大きくなり、ODIの値が小さくなるということですから、III級もしくはopenbite 傾向が次第に強くなっていくということにを示しているに他なりません。1.5という値は仮にAPDIが90でODIが60の時の値で、これはsevereなIII級でかつsevereなopenbite傾向を示す値です。